ANAインターコンチネンタル東京で抹茶&フルーツのマリアージュ
昨今、和菓子にとどまらず、洋菓子の世界でも積極的に取り入れられている抹茶は、アフタヌーンティーでも大人気!
そこで今回は、抹茶アフタヌーンティー歴が6年におよぶANAインターコンチネンタル東京で、2023年版のメニューを体験してきましたので、その様子をレポートします。
インターコンチネンタルとは
英国に本拠地を置く世界的企業インターコンチネンタル・ホテルズ・グループ(IHG)の“ラグジュアリー&ライフスタイル”カテゴリにあたる最高級ブランドの一つであり、フラッグシップブランド。
IHG傘下には、18のブランドがあり、世界中に6,000を超えるホテルを展開しています。
ANAインターコンチネンタル東京とは
1986年「東京全日空ホテル」」として東京赤坂のアークヒルズに開業。
2006年全日空とIHGが提携したことにより、2007年からホテル名が「ANAインターコンチネンタル東京」と改められました。
地下3階、地上37階の建物に、844の客室、7つのレストラン、4つのバー&ラウンジを擁しています。
その他、特筆すべき施設は、37階の囲碁サロン「Ranca」と地下駐車場のテスラ・スーパーチャージャーでしょうか。
伝統と革新のいずれも大切にされているようです。
興味深いところでは、1~3階に掲示され、価格表示されているアート作品が購入できること!
ホテルに絵画はつきものですが、ホテル自体がオープンギャラリーの役割を果たしているのは素敵だと思いました。
まずは、多種多様の大勢の方の目に触れることが、作家の方の刺激になるでしょうし、美術商に慣れない方にとっても気軽にアートに触れられる機会になります。作品と価格が気に入れば、手に入れられる場でもあります。作品は一定期間で入れ替えられるので、詳細はホームページでご確認ください。
毎年、各種アワードを受賞しているANAインターコンチネンタル東京。今年は、アメリカのウォール・ストリートジャーナル紙が「旅行業界のオスカー」と評した「ワールド・トラベル・アワーズ」の5部門にノミネートされているそうです。それぞれどのような結果になるか、発表が楽しみですね。
ANA & IHG ブランドメンバー相互特典
ANAとIHGは業務提携していることから、いずれかのメンバーシップを持っていれば、もう片方の特典を受けることもできます。
例)
ANAマイレージクラブ
:国内対象ホテル宿泊ベストフレキシブル料金より5%割引
ANAプラチナ・ダイヤモンド/SFC
:国内対象ホテル宿泊ベストフレキシブル料金より10%割引
:国内対象レストラン&バー利用料金より5-10%割引
ANA株主はさらに高利率の割引が用意されているようです。
詳しくは公式サイトをご確認ください。
また、IHGの上級会員制度のIHG One Rewardsについて詳しくは別ページにもまとめているので、参考にしてください。
アフタヌーン会場:シャンパン・バー
ANAインターコンチネンタル東京には11のレストランやラウンジがありますが、アフタヌーンティー会場は以下のように複数あり、日時や混雑具合によって案内される場所が違うようです。
2階 : アトリウムラウンジ / カスケイドカフェ
3階 : シャンパン・バー
今回私は、現在期間限定でシャンパン・ブランド “テルモン” の名を冠している3階のシャンパン・バーでいただきました。
ちょうどエントランスの真うえに位置し、2階ロビーを見渡せます。
14~17時の間は定期的に、吹き抜けの階下でピアノ生演奏もあり、優雅なひとときに。
シャンパン・バーからはレセプションも臨め、航空クルーの制服を着た方々がチェックインされる姿をたくさんお見かけしました。航空会社傘下のホテルならではですね。行き交う空港クルーの姿を拝見していると、自分が空港にいるかのような感覚になり、あたかも旅の途中のような楽しい錯覚におちいりました。
シャンパン・バーのなかには、なぜか、ゆりかごタイプのブランコ席が!
オブジェかと思いきや、本当に動くブランコ!固定席が満席で案内された熟年ご夫婦は、揺らぐ感じに落ち着かず、固定席が空き次第、移動されていました(笑)。グループでワイワイする際には試してみたいですね!
ANAインターコンチネンタル東京 抹茶アフタヌーンティーの特徴
ANAインターコンチネンタル東京の抹茶アフタヌーンティーは、今年でなんと6回目を数えます!それだけ人気であり、リピーターの期待も高まるでしょうから、シェフはやりがいがありますね。オリジナルメニューのセイボリー、スイーツ、すべてのお品に香り高い抹茶を使用。また、12種類のスイーツには、抹茶の他にそれぞれ異なるサマーフルーツが組み合わされています。
今回のアフタヌーンティーのために選ばれた抹茶は、江戸時代(萬延元年:1860年)創業の京都・宇治の老舗「辻󠄀利一本店」のもの。
日本各地に「辻利」の名を持つ茶葉販売店や茶菓店がありますが、いずれも「辻󠄀利一本店」から暖簾分け・分家・看板貸与・共同出資です。本家のお茶製造元から直接取り寄せたこだわりの抹茶と、季節のフルーツとのさまざまなペアリングで、どのようなマリアージュが生まれているのにご注目。
ドリンクメニューにある紅茶やハーブティーは、今年創業200年のドイツの高級ティーブランド“Ronnefeldt”(ロンネフェルト)です。和洋のお茶共に老舗ブランドというこだわり。期待は高まるばかりです。
■開催期間間 : 2023年9月30日(土)まで
■実施時間 : 11:00~17:00(最終入店)
※2時間制、ラストオーダーは30分前
※8/11~13は11:00~19:00(最終入店)
■価格 : 基本メニュー7,500円
日本酒とミルクの抹茶風味カクテル「抹茶ミルキーウェイ」付き9,000円
※1名分消費税・サービス料込み
※平日限定オンライン予約 特別料金あり(他社サイト、電話予約対象外)
※特別料金適用諸条件は予約ページにてご確認ください。
■ドレスコード : スマートカジュアル(男性:ノースリーブシャツ、スリッパ、つま先の開いた靴不可)
■ピアノ生演奏(毎日):
14:00~14:20/14:40~15:00/15:20~15:40/16:00~16:20/16:40~17:00
■予約・問い合わせ: Web https://anaintercontinental-tokyo.jp
TEL 03-3505-1185
苦手な食材の相談
焼き菓子などの甘いモノが大好きにも関わらず、小麦が体質的にあまり向いてはいないため、予約時に小麦を他の食材変えられるかお訊ねしてみました。
すると、「抹茶アフタヌーンティーのスイーツ12品中10品に小麦が使用されており、抹茶を生かして代替品を使うことは難しい。」旨の回答と、「メニューを抹茶に限定しなければ、代替品を用意することは可能。」といった提案を頂きました。
“抹茶”に惹かれて選んだアフタヌーンティーでしたので、今回は代替品はあきらめ、オリジナルメニューで頂くことにしました。
抹茶アフタヌーンティーのお食事
イラスト入りのメニューがわかりやすく、カワイイ!
セイボリー5種
・グリーンピースと生ハムのブリニ
生ハムとグリーンピースのピューレが、3枚のブリニ(ロシアの小さなパンケーキ)で2層にサンドイッチされ、抹茶パウダーがトッピングされています。かわいらしい見た目に反して、一口には大きく、食べ方に悩み、ピックを外して2回に分けて頂きました(笑)グリーンピースの強い香りと、生ハムの塩味のあとに、ふわっと抹茶の香りがお口に爽やかさを残してくれる仕上がりです。
・抹茶クリームチーズのタルト
ほんのり抹茶カラーのクリームチーズの酸味が、トッピングされている小さなキウイの甘味と酸味にベストマッチ!タルト生地にはしっかりとした甘みがあります。
・スモークサーモンコルネ
巻貝型のあっさりしたパイ生地が、ペースト状のスモークサーモンで満たされています。サクッっとした歯触りに続くなめらかな舌触り。表面の抹茶パウダーの香りは後追いでやってきて、さっぱりとした印象が残ります。
・小海老と枝豆のフラン
抹茶風味のプランはしっかり海老のダシが効いていて、なかには固めに茹でられたた枝豆が隠れています。枝豆の青々しいお味と歯ざわり、そして滋味深いブランのなめらかな喉越しとのコントラストを愉しめる冷菜。
・玉子とツナの抹茶サンドイッチ
卵サラダとツナサラダの二層のサンドイッチ。パンに色味効果として抹茶が練りこまれています。
スイーツ12種
・柚子と抹茶のクリーム
緑色と黄色のクッキリとした二層が、クッキーの台座に配されています。プルプルとしていて、クリームというより、ムースか、ムース以上にしっかりした食感です。深い緑色から想像されるほどの抹茶の強い主張なく、むしろ柚子の酸味に主眼を置いているようです。さらに、柚子独特の香りは鼻腔に長く残り、お茶とのマリアージュを満喫できます。
・ココナッツと抹茶のチョコレート
遠目に盆栽かと思いきや、ヤシの木でした(笑)。夏の表現アイテムのヤシは飾りで、根本に苔盛土のように見えるのは、抹茶チョコレートのガナッシュ。表面のココナッツが、香りとシャキシャキした食感を演出。
中はトロトロで甘い茶チョコ。抹茶の渋みよりも甘さが前面に出ています。
お茶よりもブラックコーヒーとの相性がよい一品です。
・ラズベリーと抹茶のスクエアケーキ
うえから、レッド・グリーン・ブラウンと、はっきりした色遣いに加え、ラズベリーの艶、抹茶ケーキのなめらかさ、チョコレートケーキのどっしり感といった、質感の違い。斬新な組み合わせのアイデアはどこから来るのでしょう?目にも舌にも発見の多いスイーツです。
・ラムレーズンと抹茶のクッキーサンド
ラムレーズンが純粋においしい!サンドイッチしているクッキーのチョコレート主張とのバランスも抜群です。軽い口触りながら、重厚感たっぷり。
・パッションフルーツゼリーと抹茶フィナンシェ
ちょっと触れたで、ゼリーがプルプルと揺れる様子に、食べる前からワクワクです。
台座の役割をしているフィナンシエとゼリーを一緒にお口に入れると、夢心地!パッションフルーツの強い酸味が活きたゼリーと、焼き上げられているにもかかわらず抹茶の風味が飛ばずにしっかり存在を主張しているフィナンシエとが、それぞれエッジの効いた味の引っ張り合いをしながらバランスをとっています。おそらく、フィナンシエがプレーン味では物足りないと想像しました。トッピングのチョコレートプレートが、薄い見た目に反してハードな手ごたえで上手に切れず、一緒に口に運ぶのを断念したことを後悔。
・マンゴープリン抹茶ソース
プリンもソースもミルクベースで、両方とも気持ちがほっこりするまろやかなお味。トッピングのピンクペッパーらしき小さな赤い3つの粒が、シャープなアクセントとして引き締め役を果たしています。個人的には、あと2粒欲しいくらい、ピンクペッパーの香りに魅了されました。
・バナナと抹茶のパウンドケーキ
バナナのパウンドケーキはずっしりと重く、甘すぎる印象があったのですが、ステレオタイプの思い込みが吹き飛ばされる仕上がりでした。抹茶マジックが効いているのでしょう。バナナの味と香りがしっかりありつつ、抹茶の香りも楽しめるバランスが絶妙で、おいしく頂きました
・パイナップルと抹茶のスコーン
抹茶パウダーとパイナップルチャンクが入ったスコーン。変わり種ながら、スコーンの基本がしっかり押さえられた一品で、大変素晴らしいと思いました。大満足です。抹茶の香りやパイナップルの甘みと酸味も活きています。 焼き加減も完璧で、スコーン独特の崩れやすいホロホロとした感じもしっかりあります。クロテッドクリームは脂肪分が少なめで、ミルクの味わいが強いタイプでした。スコーンに含まれたパイナップルを、ジャムの役割とみなし、意図的にジャムを提供しない手法は、斬新で、正しい!と感動。スコーンは2個供されることが多いですが、1個のみにしたのも英断です。ほかにもたくさんのお菓子が用意されていますし、1個で充分に記憶に刻まれるほど計算しつくされたスコーンです。
・杏と抹茶のブラウニー
クリームがたっぷり乗った王道の出で立ち!ブラウニーには大き目のナッツがたっぷり入っています。トッピングされたアンズの酸味の強さが、ブラウニーの重さと拮抗。香りと食感でバランスを取らせるアイデアに初めて出会いました。食後もアンズの香りが長く口にとどまり、その香りでお茶を楽しめるほど!アフタヌーンティーの醍醐味ですね。
・林檎のコンポートと抹茶クリーム
酸味と甘みと香りのバランスが完璧で脂肪分がない林檎のコンポートと、お茶の香りとうまみを乳脂肪で包んだ抹茶クリームの組み合わせ。秀逸すぎるこういったアイデアに、どうしたら到達できるのでしょう?考案してくださったシェフに感謝しながら頂いた一品です。
・ライムと抹茶のムース
視覚効果ってスゴイですね。ライムがそのまま提供されるはずはないと、頭ではわかっていながら、見た目のライムらしさに影響されて、ライムを切るがごとく力に任せてナイフを入れてビックリ。驚くほどやわらかく、プルプルなムースです。また、見た目のライムっぽさに反して、お味のほうは酸味がそれほど強くなく、甘さを堪能する一品。食べる前の第一印象とのギャップを楽しみました。
・レモンと抹茶のタルト
レモン型のチョコレートのトッピングが可愛らしい一品。レモンの酸味が効いていて爽やかです。
抹茶アフタヌーンティーのお飲み物
19種類のドリンクメニューは飲み放題。
すべて、ポットではなくカップやグラスで供されるので、一杯ごとに気軽に違うものに飲み替えできます。
カフェインレスのブレンドティーが充実しているのが特徴的です。
※実際に頂いたものに◎
季節のドリンク 1種
◎アイス モルゲンタウ
日本茶 1種
◎玄米茶
紅茶・ハーブティー(ロンネフェルト) 11種
◇ダージリン
◎イングリッシュブレックファースト
◇アールグレイ
◇アイス アールグレイ
◇アイス ジャスミンゴールド
◎アイス グリーンドラゴン
◇フルーティーカモミール
◇アイス リフレッシングミント
◇アイス アーユルヴェーダハーブ&ジンジャー
◇アイス ルイボスクリームオレンジ
◇アイス ウェルネス
コーヒー 6種
◇コーヒー
◇エスプレッソ
◇カフェラテ
◇カプチーノ
◇アイスコーヒー
◇アイス カフェラテ
最初に、歓迎の一杯として、季節のドリンク【アイスモルゲンタウ】が供されました。中国茶ベースのスッキリ感にバラとマンゴーの甘い香りがリラックスを誘います。
今回は、お食事の抹茶に寄せて【日本茶(玄米茶)】を中心に、頂きました。
抹茶と出自は同じで、製法が違うお茶。想像のとおり、ハズレのないチョイスで、お代わりすること2回の合計3杯いただきました。
感動の一杯が、【アイス・グリーン・ドラゴン・ロンジン】茶。
中国を代表する緑茶の「龍井茶」の新葉です。豊かな香りとさっぱりとした自然な甘味があり、お食事もスイーツも進みました。ただ、アイスでの提供しかなかったので、お代わりを断念せざるをえなかったのが残念。ロンネフェルト取り扱い販売店で購入できることを突き止めましたので、ぜひとも手に入れたいと思っています。
押さえの紅茶は【イングリッシュ・ブレックファスト】に。
スッキリとしたダージリン寄りのお味と感じました。
ずっしり系のスイーツには【カプチーノ】。
運ばれて来た途端にシナモンの香りがふっと漂う一杯。ラムレーズンやココナッツガナッシュとぴったり合いました。
同時開催! 抹茶パティスリー
世界的ミシュランシェフのピエール・ガニェール氏プロデュースのパンと焼き菓子のお店「ピエール・ガニェール パン・エ・ガトー」では、抹茶アフアヌーンティーの開催期間中に、各種抹茶のパティスリーを販売しています。アフタヌーンティーにはないお菓子や、パンが取り揃えられているので、抹茶の魅力をさらに探求できます!
お土産のほか、アフタヌーンティーの時間がとれない方のお持ち帰りにもよろしいのではないでしょうか?ANAインターコンチネンタル東京2階の同店も覗いてみてください。
ANAインターコンチネンタル東京へのアクセス
■住所 :東京都港区赤坂 1-12-33
■地図
■最寄り駅
東京メトロ銀座線・南北線 「溜池山王」駅
出口13から徒歩約 5 分
ANAインターコンチネンタル東京の駐車場
◇24時間営業
◇予約不要
◇料金
レストラン利用
¥5,000~2時間まで無料
¥10,000~4時間まで無料
通常 10分 / ¥200(最大¥4,400 / 日)
◇収容可能な車のサイズ
長さ:6m/幅:2.5m/高さ:2.1m/重さ:3t
おわりに
国際的なホテルブランドと日本の航空ブランドの2つの名を冠するANAインターコンチネンタル東京。
世界の一流標準と日本らしさを兼ね備え、独自路線を築いているようにお見受けしました。
アフタヌーンティーで、その雰囲気を体験してみてはいかがでしょうか?
本記事は、2023年6月時点の状況に基づいています。
ご利用の際は、最新の情報をご確認ください。