ヒルトン東京(王朝)で中華を堪能!チャイニーズ・アフタヌーンティーのレビュー
ホテルアフタヌーンティーが一般化しつつある昨今、それぞれのホテルは、独自プランの開発に余念がありません。
利用者としては、さまざまな体験ができて嬉しい限りです。
今回は、ヒルトン東京の取り組みと、実際に伺った中華レストランが提供するアフタヌーンティーについてレポートいたしますので、どうぞご覧ください。
ヒルトン東京とは
「ヒルトン」は、世界展開をしているアメリカのホテルチェーン:ヒルトン・ワールドワイド:が持つ18のホテルブランドの内、高級フラッグシップにあたります。ヒルトン東京は、1963年に日本で最初に開業したヒルトンホテルということだけではなく、日本における最初の外資ホテルです。当初は永田町に位置していましたが、1984年に新宿に移転し、現在に至ります。”東京”と名の付くヒルトンが他に2軒「ヒルトン東京お台場」「ヒルトン東京ベイ(千葉県浦安市)」がありますが、こちらの「ヒルトン東京」がもっとも長い歴史を誇ります。830の客室を擁し、新宿副都心という立地からビジネスにも観光にも便利です。
私が伺ったのは、土曜日の11時前。ちょうどチェックアウトやランチタイムと重なり、1階は多くの人の出入りがあり、ラウンジも満席状態で、カメラを向ける余地がないほどでした。
ヒルトン東京:3つのアフタヌーンティー
ヒルトン東京では、3種類のアフタヌーンティーが同時開催されています。それぞれ主要食材別にテーマを掲げ、メニューは季節ごとに新しくなります。いずれも、伝統的なアフタヌーンティーから外れているところが興味深いです。時期によっては、基本形も登場すると思われますが、趣向が凝らされたラインナップをご覧ください。
- パンが主役のアフタヌーンティー
- お肉が主役のアフタヌーンティー
- チャイニーズアフタヌーンティー
その1:パンが主役のアフタヌーンティー
パン好きの方や、SNS発信されている方必見!色々なかわいいパンと、写真映えするドリンクとを一緒に楽めるプランです。可愛いパンと言っても、さすがホテルメイドだけあり、それぞれの生地の発酵や成形、焼き方などに工夫が凝らされ、クオリティにも期待できます。スープやサラダ、スイーツも含まれるので、お食事代わりになりますね。
項目 | 内容 |
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時間 | 11:30~/14:30~/18:00~の3部制 |
料金 | 【平日】 6,400円/人 【土日祝日】6,900円/人 |
会場 | バー&ラウンジZATTA(2階) |
その2:お肉が主役のアフタヌーンティー
お肉でアフタヌーンティー?!と私自身、驚きましたが、さまざまなお肉メニューを少しずつ頂ける素敵な企画です。また、甘いものをたくさん食べられない方にも向いていますので、男性をお誘いするにも良いでしょうし、ボリューム満点なので、お若い方にはピッタリかと思います。
項目 | 内容 |
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時間 | 15:00~17:00(L.O. 16:30) |
料金 | 【平日】 6,400円/人 【土日祝㈰】6,900円/人 |
会場 | メトロポリタングリル(2階) |
その3:チャイニーズアフタヌーンティー
ランチタイムにのみ開催される中華点心の食べ放題に、前菜やスイーツがセットになったプランです。甘くないものの割合が多いので、お食事感覚で楽しめます。お子様料金も設定されていますので、お子様連れのママ会や、ご家族でのお食事にも向いています。
項目 | 内容 |
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時間 | 11:00~13:00(L.O.12:30) 13:30~15:30(L.O.15:00) |
料金 | 【平日】 5,800円 /お子様 3,400円 【 土日祝 】6,300円 /お子様 3,700円 |
会場 | 王朝(2階) |
ヒルトン東京のレストランフロア
すべてのレストランは2階に集約されていて、アフタヌーンティーの会場も2階です。2階はつまり、ダイニングフロアで、和食、中国料理、グリルレストランとバー&ラウンジが、吹き抜けの階段を中心にして回廊形式に展開されています。
各レストランに入口扉や壁はなく、ガラス越しにキッチンの躍動感も見え、カジュアルで開放感たっぷり。エレベーターで2階に上がると、係の方が丁寧にそれぞれのレストランに案内してくださいますが、1階正面玄関右手の「マーブルラウンジ」中央にある螺旋階段を辿って上がると、ダイニングフロア全体の活き活きとした雰囲気を一層感じられるかもしれません。
それでは、実際に頂いたチャイニーズアフタヌーンティーの詳細を記します。
チャイニーズアフタヌーンティー:シノワ・フルール
会場のチャイニーズレストラン「王朝」は、ヒルトン東京の2階ではもっとも古く、30年以上愛され続けてきている中華レストランです。エントランスの一角は、古典的中国のイメージが演出されていますが、ダイニングスペースのインテリアはとてもシックでモダン。ダイナミックな厨房の様子が間近に見られるのも迫力です。
予約の名を告げ、案内された席には既にアフタヌーンティーのセッティングがされていて、早々に気分上々!
メニューのおおまかな構成は、以下の通りで前菜類が私をお出迎えしてくれた訳です。
項目 | 内容 |
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前菜/肉・魚料理 | 8品 |
点心 | 6品(食べ放題) |
デザート | 4品 |
お茶 | 1ポット |
前菜や、お茶にお花が盛り込まれていることから、「花の中華」を意味するフランス語「シノワ・フルール」と名付けられたアフタヌーンティーです。
供されたお茶は、ローズをはじめとしていろいろなお花が、大きなポットいっぱいに浮かんだ、目にも美しい白茶。くせがなく、まろやかであっさりとしていて、すべてのお料理やスイーツとの相性が良かったです。1ポットで制限時間を充分に満喫できました。
「シノワ・フルール」のお食事
頂いた順にお料理の数々をご紹介して参ります。
彩りサラダ 梅フルーツドレッシング
梅の酸味がフルーツの自然な甘みでマイルドにされ、全体的に爽やかな印象の一品。赤大根、アボカド、トルティーヤのようなチップス、レタスなどのミックスサラダ。食べなれた梅の印象が強く、中華というより日本的な馴染み深さを感じました。ガラスの器が涼やかです。
グリンピースクリームスープ
早々に運ばれてきたこちらのスープ。冷製を想像していたのですが熱々のスープでびっくり!塩分とコンソメがしっかりっていて、グリーンピースは風味付けの仕立て。一般的なアフタヌーンティーは、お茶以外のものが途中で差し込まれることはないので、新鮮な演出でした。
前菜を食べ始めたばかりのところで、蒸し点心が登場し、驚きです。
気分はまだまだ前菜でしたが、蒸篭に入った蒸したての美しい点心の数々を目の前にすると、厨房とのライブセッションに乗らない手はなく、早速いただくことにしました。
豚肉・筍入り桃色餃子
まずは見た目に驚愕。餃子を閉じる皮のヒダのなんと細やかなこと!まさに職人技。その技を可能にする皮の薄さが、中身を透けて見せる美しさと、食感の軽さを導いています。お箸でつまんだ様子でお分かりいただけるかと思いますが、とても柔らか。蒸し加減が合わないと、このようにはなりません。脂をたたえてうまみたっぷりの豚肉餡のなかに、タケノコが隠れていて、時折シャキシャキ感が愉しめます。
鶏肉・豚肉入り花形焼売
続きまして、上部のヒダが乾燥しやすいと注意されたシューマイです。1品先に食べているあいだに、確かに表面が乾燥し始めていたので、こちらを最初に食べるのが、おいしくいただくコツのようです。巾着型の見た目が美しい!本当に布のようになめらかなドレープです。鶏肉が主軸でサッパリしています。
翡翠三角海老蒸し餃子
薄く透けて中身が見える美しさに目を見張ります。まさに翡翠色。少し時間が経っても、見た目通りのツルっとした皮のの食感とのど越しが愉しめました。
海老入りポーク焼売
皮がとても薄く、ポークは脂の少い部位で、海老の食感に合わせるかのような粗目ミンチ。歯触りのリズムの印象だけではなく、豚肉と海老それぞれの後味がしっかり残る逸品。
と、ここで、突然、サプライズ!焼き立ての北京ダックがフロアを練り歩きました。思わずパチリ。
スゴイ迫力です。ガラス越しに見たことはありますが、間近で見たのは初めて。つややかに焼き上げられています。そんななか、揚げ点心が届きました。作り立てのお食事が提供されるのが、通常のアフタヌーンティーにはない中華点心ならではのはからいです。
蒸し点心も、まだ食べ終わっていませんでしたが、せっかくの揚げたてをいただくことにしました。
春巻き
なかは餡状になっていて、なかの食材詳細はわかりませんでした。純粋においしい。ただ、個人的には中身に食感があるほうが好みです。
海老団子
衣のサクサク感が絶品!揚げ技の賜物だと思います。海老団子といっても、凝り固まった感じではなく、ふんわりしていながら海老本来の食感もります。すり身団子の上に生の海老を載せて揚げたのでしょうか?香りと、異なる食感を生かしながら、表面のサクサク感を作れる中華の奥深さを知りました。お弁当に入れて欲しい賞です。
五目揚げ団子
見た目でも、名前でも、一体これが何なのか、まったく想像できなかったお品です。軽くお箸で取り上げただけで、ちょっと潰れてしまいました。つまり、空気を含んだ衣で、パフパフとした感じです。衣は、少し甘味のあるお餅。なかには、ひき肉の餡が包まれていて、ちょっと甘めのピロシキみたいな感じです。衣に甘味があるので、口に入れた瞬間の香りは、アメリカンドッグのような印象ですが、歯触りはまったく違い、お餅です。兎に角、食感が面白い!なかの餡は「五目」なだけあり、お肉の他にもいろいろとはいっていて、衣とのバランスも絶妙。これまでのところ、こちらが一番気に入りました。
海老トースト
トーストといっても、油を通していると思われます。なのに、ちっとも油っぽくありません。パンで海老のすり身を挟んで揚げているようなのに、パンが油を吸い込んだ感じがしません。逆に想像すると、よく油切れできているというか、使っている油があっさりしているのか・・・。謎が多い一品ですが、海老ペーストのプリっとした感じが生きていて、香りと噛み応えを愉しみました。
大根餅
生まれて初めて大根の味がする大根餅を食べました。フワフワでモチっとした生地の合間に、大根の水分と繊維質が残っていて、食べ進めるのが楽しい一品です。
ここで、当初のメニューにはなかったものをいただきました!
そう、先ほどサプライズで登場した一羽の北京ダックが、美しく巻かれて現れました。というのも、北京ダックが姿を消した後に、スタッフの方がやって来て、特別に一切れから本コース特別価格でオーダー可能というご案内(売り込み?)を受け、1つお願いしてみました。通常一切れ800円のところ、600円でした。「王朝」の北京ダックのディナータイム価格は16,500円とのことなので、お手軽にお試しした感覚です。お味はというと、お味噌がたっぷり入っていて、その味で北京ダックの皮の食感を堪能しました。
随分食べ進みましたが、ここで取り置いておいた前菜類に戻ります。結果的に、あっさりとしたものを箸休めの感覚でいただけて、良い流れでした。
金糸クラゲと夏草花の花山椒ソース和え
中国らしい香辛料の花山椒が利いていて、とても風味高く美味。キクラゲの歯応えが、細切りにもかかわらず、かなりしっかりしています。香りも食感もパンチが効いていて、両者でバランスをとっています。花山椒のおいしさを思い知らされた珍味。
燻製鴨ロースのキンモクセイソース掛け
香りを楽しむお料理。「シノワ・フルール」らしく、ソースにキンモクセイの香りが封じ込められていて、鴨の燻製の香りとのマリアージュが鼻に抜ける感じが最高。。
海老、蟹、マンゴーのエルダーフラワーソース
見た目に涼やかで美しく、トロピカル。一方、味の想像がつきませんでしたが、一口いただいてびっくり。
甘酢ベースで、海老とマンゴーがゴロゴロ入っています。火が通った海老の食感がしっかりしていて、熟したマンゴーとの対比が口のなかでリズムを作ります。エルダーフラワーが使われたソースは、「シノワ・フルール」のテーマにピッタリ。中華料理の幅の広さを学べた前菜です。
鮑のチリソース、ラベンダーティーアップル添え
アワビにしっかり火が通っているにもかかわらず、とても柔らか!海のものと木の実のリンゴを取り合わせる妙は目から鱗。食感といい、チリソースとの相性といい、抜群です。
ハイビスカス入り黒酢ソース酢豚
酸味の強いハイビスカスを、酢豚の「酢」に取り込むとは、なんというアイデアでしょう!「シノワ・フルール」らしいですね。そして、このプレゼンテーションに驚きました。きゅうりの台座の上にお団子状にされたお肉が鎮座。食べるときは、先にキュウリのシャクシャクした歯ざわりとみずみずしく爽やかな準備ができたところに、なめらかな舌触りの肉団子が転がり込む設計。角切り肉では、この一連は成立しないのです。見た目のインパクトと、口の中で即座に完成する美味しさが計算しつくされた一流の作品ですね。
筍とインゲンの干し海老、ザーサイいり辛味炒め
タケノコに干し海老とザーサイの味が染みわたり滋味深いお味。インゲンと菊の花びらの彩りも美しいです。作り方を知りたいほど気に入り、常備菜として置いておきたいと思いました。
早い段階で満腹になることを避けるために、大事にしておいた点心をいよいよいただきます。
叉焼饅頭
叉焼の煮汁が、細かくカットされたチャーシューと共に餡になったお饅頭。想像通り、ラストに持ってきて正解でした。
点心食べ放題!
今回のアフタヌーンティープランは、2時間の制限時間以内であれば、点心については食べ放題。しかも、ビュッフェのように作り置きされたものではなく、ワゴンサービスや追加オーダーでいただくことができます。
既にここまでで、充分に満足行くボリュームでしたが、お気に入りのものを少し追加でいただくことにしました。
蒸し点心
揚げ点心
追加の揚げ物は、最初に出されたものよりは、油っぽかったです。揚げ進んで油がチカラ尽きたのでしょう。それでも、ひき肉入りモチモチ揚げドーナツはおいしいです!
いずれも、追加のお願いをしてから厨房で調理されたようで、提供されるまでに少し時間が掛かりました。ですので、調理時間と食べる時間を勘案して、早めのオーダーがお勧めです。実際には、スタッフの方がこまめに要望を訊ねてくださるので、タイミングを逸することはないかとは思います。
デザート
デザートは4品がワンプレーとで提供されました。
まずは、ライチ―の自然の甘みでリフレッシュ。
マスカットゼリー
無色透明クリアなゼリーだけどマスカットの味がしっかり。ほんの少しのミントの葉が香りのアクセントとしてずっと残ります。いちごの食感をタッチでくわえるのもアイデアだと思いました。香りのバランスがとても良いデザート。
キウイヨーグルト
甘味しっかりめですが、キウイとヨーグルトそれぞれの自然の酸味で爽やかなデザートに仕上がっています。食後のスイーツにはピッタリ。
レモンクリームチーズタルトバラのジャム添え
タルト生地にレモン風味のクリームチーズが絞られてケーキの見立て。レモンのお陰で、クリームチーズ単体よりもさっぱりとした後味。デザートの位置づけで考えられたスイーツ。構成が素晴らしいですね。
有料のお飲み物
プランに入っている「特製花茶」のほかに、有料でビールなどのアルコールや、ジュース・炭酸飲料、コーヒー・紅茶などのドリンクメニューが用意されています。
ヒルトン東京のアフタヌーンティーまとめ
ヒルトン東京の点心を中心に構成されたアフタヌーンティー形式のランチプラン。熱いものが熱いうちに供される素晴らしさ。点心食べ放題のために、ワゴンサービスが店内を回遊するのは、追加注文をしなくても、ワクワクします。
また中華の習慣からか、空いたお皿を次々と下げて頂けるのは、アフタヌーンティーとしては新鮮で、大変気持ち良かったです。
制限時間内の点心お替わり自由のスタイルから、細やかに追加注文を訊ねてくださる配慮も行き届いていました。
サービスの洗練に加え、主役のお料理も、小さな器の中に想像を超える創意工夫がほどこされていて、驚きをもって大変美味しくいただきました。
同じ価格でランチやディナーを頂くとすると、ここまでの品数は注文できないので、お手頃に本格中華の世界を愉しむ場としても最適でした。季節が進み、新たなメニューができましたら、また伺いたいと思います。
予約方法
アフタヌーンティーのご利用には、是非ご予約ください。
【ヒルトン東京公式】
公式サイトでは、タイミングによって、割引価格が提供されていることがあります。
WEB : https://tokyo.hiltonjapan.co.jp/restaurants/
TEL : 03-3344-5111(ホテル代表)※レストラン予約受付時間 10:30~18:00
フライトマイルを貯めたい場合の予約方法は「JAL/ANAマイルをホテルアフタヌーンティー予約で貯める方法」をご参照ください。
ヒルトン東京へのアクセス
ヒルトン東京
〒160-0023 東京都新宿区西新宿6-6-2
TEL:03-3344-5111 FAX: 03-33 42-6094
最寄り駅
【新宿駅】JR・私鉄・地下鉄
・徒歩:約10分(西口より)
・無料シャトルバス:約 5分(乗り場:新宿駅西口京王デパート前バス停21番/ホテル正面玄関)
時刻表 https://tokyo.hiltonjapan.co.jp/pdf/access/shuttle_bus.pdf
【西新宿駅】地下鉄丸ノ内線
・徒歩:約2分(C8出口より)
C8出口からエスカレーターで地下1階の「ヒルトピアショッピングアーケード」経由
【都庁前駅】地下鉄大江戸線
:徒歩:約3分(A7出口より)
A7出口丸ノ内線西新宿駅方面エスカレーターで上がり、
左側の丸ノ内線方面地下通路の矢印方向に進み、
C8出口からエスカレーターで地下1階の「ヒルトピアショッピングアーケード」経由
駐車場
・場所:ホテル地下2階・3階(280台:車高2.1m)
・駐車料金:レストラン3,000円以上利用にて3時間30分まで無料
※宿泊利用 にて1,500円 / 1泊(24時間以内)出し入れ自由
※延長:300円 / 30分
【EV充電スタンド】
・設置位置:地下駐車場2階
・充電タイプ:200V(普通)1カ所 / TESLA(テスラ) 2カ所
・種別:コンセントのみ
・充電課金:無料
※記載内容は、2024年7月現在のものです。ホテルご利用に際しては最新の情報をご確認ください。