【宿泊記】バリ島アリラ・マンギスのブログレビュー(ポイント宿泊)
今回は、インドネシア・バリ島の北東部にあるアリラ・マンギスにWORLD OF HYATTのポイントを利用して宿泊しましたので、その時の宿泊レビューをご紹介致します。
2023年12月2日から2泊しました。バリ島のホテルを探す際や、WORLD OF HYATTのポイント宿泊をする際の参考にしていただければ幸いです。
宿泊料金
今回は全てポイント宿泊しました。カテゴリー1で、オフピークシーズンなので、1泊あたり3,500ポイントでした。実は当初は2023年の宿泊実績を積むために、1週間くらいの滞在を考えていました。しかし、カテゴリー1で交通の便も悪そうな所なので、もし期待はずれだったら取り返しがつかないと思い、他のHYATT系のホテルにも少しずつ泊まってみることにした経緯があります。
参考までに現金で宿泊する場合を調べてみました。サービス料と税金を含むと、スタンダードルームで1泊US$150くらい、スイートルームだと1泊US$320くらいとなります。
アクセス
アリラ・マンギスはバリ島のングラ・ライ(デンパサール)国際空港から61kmの場所にあり、車で90分程度です。交通量の混み具合によって所要時間はかなり変わってきます。空港からのシャトルバスサービスはなく、タクシーを事前に予約してホテル付けにしてもらう方法があります。この場合、90万ルピアになるようです。ちなみにGrab料金を調べてみると70万ルピア台でした。
筆者はバリ島のサヌールにあるHAYATT REGENCY BALIをチェックアウトしてから移動しました。Grabを呼ぼうとしましたが、たまたま通信状態が悪く、Grabのアプリが使えなかったので、ホテルのスタッフにブルーバード・タクシーを呼んでいただきました。
ブルーバード・タクシーとはメーター制を採用しているタクシー会社で、バリ島内では安心して乗れると評判のタクシーです。車体がブルーで、ロゴも文字通り青い鳥が使われています。専用のアプリもあるので、料金も事前にわかり良心的です。これとは別にローカルのタクシーもあり、値段は交渉性となっているので、観光客相手に法外な料金を請求することもあるようです。また、ブルーバード・タクシーのようなブルーの車体で営業しているローカルのタクシーもあるそうなので、よく注意する必要があります。
Grabは事前決済でクレジットカードも使えるので便利です。今回は通信環境の関係で使えませんでしたが、HYATT REGENCY BALIからALILA MANGGISまでの値段を調べると29~35万ルピアくらいでした。
ホテルスタッフがブルータクシーのドライバーにアリラ・マンギスまでのタクシー料金を確認してもらったところ、45万ルピアくらいとのことだったので、まぁ妥当だと思い、乗り込みました。
ただし、クレジットカードは使えず、現金払いだけだったので、サヌールの街の中にある両替所に寄ってもらい、日本円をインドネシアルピアに両替してもらうことにしました。
両替所では先客にイギリス人ぽい高齢のご婦人二人がおり、何か交渉をしていました。ようやく両替が終わり、我々が両替所に入ろうとしたところ、ご婦人達がお店を出る際、「気をつけてよく確認した方がいいわよ」とアドバイスしてくれました。「あなた方は英語わかる?」との前置きのお言葉もありました。
このアドバイスのおかげで疑心暗鬼になってしまい、両替店の店員さんの人相も悪く見えてきました。1万円札を両替して5万ルピア札を20枚の100万ルピアをくれました。さらに5万ルピア札を持っていましたが、4万ルピアを出せと言ってきました。こちらは意味がわからず、ぼったくられるのではないかと思いましたが、最終的には店員さんが自分のポケットから1万ルピア札を出して渡してくれました。
結局1万円が101万ルピアだったようです。ングラ・ライ国際空港では5千円札を両替して47万5千ルピアだったので、空港よりは良い交換レートです。しかし、計算書もくれなかったので、多少は抜かれているのかも知れません。
ブルーバード・タクシーのドライバーはお話し好きで、巻き舌の英語でいろいろ話しかけてきましたが、内容を理解するのに苦労しました。
道路は遅い車がいると詰まってしまいますが、反対車線に入ってでも結構大胆に抜いていきます。あとはオートバイが多いので、事故が起きないかハラハラしてしまいます。
1時間ちょっとでアリラ・マンギスに到着しました。
タクシーメーターは42万57百ルピアを指していました。チップも込みで45万ルピアを渡しました。
アリラ・マンギスの概要
アリラ・マンギスはバリ州(島)東端にあるカランガスム県マンギス郡に位置し、ビーチリゾート地のチャンディ・ダサ(CANDI DASA)近くに、当初はGHMホテルグループの「The Serai Manggis」(サライ・マンギス)として1994年に開業しました。後にアマン東京(2014年12月開業)、アマネム(伊勢志摩 2016年3月開業)やアマン京都(2019年11月開業)などを設計した有名建築家ケリー・ヒルが率いるシンガポールのKerry Hill Architects が建築設計を担当しました。
2001年にインドネシアで設立されたALILAホテルズは、同年にジャカルタに最初のホテルを開業、程なくしてGHMホテルグループから譲り受けたバリ島のウブドとマンギスのホテルをALILAブランドとして2001年にリブランドオープンしています。現在ALILAブランドのホテルはバリ島に4ヶ所、バリ島以外のインドネシアに3ヶ所、インドに3ヶ所、マレーシアに1ヶ所、モルディブに1ヶ所、中国に1ヶ所、オマーンに2ヶ所、米国に3ヶ所の合計18ヶ所あります。さらに2025年に中国に1ヶ所開業予定です。(※バリ島のアリラ・スミニャックとザ・スタジオ アット アリラ・スミニャックは1ヶ所としてカウント)
ALILAとはサンスクリット語で「驚き」を意味します。この言葉はアリラの驚くほどに個性的で斬新なデザインの建築物や、アリラに滞在した宿泊客の印象を表すのにピッタリな言葉だと宣伝されています。
そのALILAホテルズは、2014年にGeolo Capital(米国サンフランシスコを拠点とするジョン プリツカー家のプライベート エクイティ投資部門)に買収され、そのGeolo Capitalは自社が持つホテル事業を統合する形で2016年にTWO ROADS HOSPITALITYを設立しました。
また、2018年7月にALILAホテルズは、Travel+Leisure誌(米国ニューヨークを拠点とする大手旅行雑誌)の世界のトップ20ホテルブランドの読者投票第9位に選ばれています。ちなみに、この時の第1位はIHGグループの「Six Senses Hotels Resorts Spas」が獲得しています。
さらに、2018年10月8日にHYATT HOTELS CORPORATIONがTWO ROADS HOSPITALITYをUS$5億で買収した結果、TWO ROADS HOSPITALITYの4ホテルブランド(ALILA、THOMPSON、Joie de Vivre、DESTINATION)、計95施設と共にHYATTの傘下に入ることになりました。ALILAホテルズがWORLD OF HYATT プログラムの対象ホテルになったのは2019年6月25日からです。
ALILAホテルズは、2023年のTravel+Leisure誌では読者が選ぶお気に入りホテルブランド25の第15位を獲得しています。
2023年の第1位を獲得したのはCAPELLA HOTELS & RESORTS(本社シンガポール) でアジア中心に展開するホテルグループです。現時点で日本には未上陸ですが、京都市東山区に2025年夏に「カペラ京都」として開業する予定で準備が進められています。ホテルの運営会社はNTT都市開発のグループ企業であるUDホスピタリティマネジメント、建築デザイン監修は隈研吾建築都市設計事務所が担当します。
すっかり話題がそれてしまいましたが、アリラ・マンギスはもともとビーチフロント沿いの2.3ヘクタールのココナッツ畑だったそうです。建築設計家のケリー・ヒルはこの場所にホテルを建設するにあたり、ココ椰子の木を活かし、全ての部屋から海の景色が見えるようにすること、との指示だけを受けています。
敷地の真ん中に1辺が20m近くのほぼ正方形に近いプールがあり、そのプールの周りのガーデンは鮮やかなグリーンの芝生が敷き詰められ、ココ椰子の木が点在しています。海に面しているガーデンの反対側にアランアランというバリ島の天然草葺き屋根のバリの伝統的なパビリオンがガーデンを囲むように6棟建っています。そのうち4棟が客室用で、客室はスイート2室を含む全55室で構成されます。
スタンダードの客室は、1階がスーペリアルームと呼ばれお部屋の広さはテラスも合わせて各34㎡あります。テラスにはデイベッドもあり、そのまま芝生を通ってプールに行くことができます。2階はデラックスルームと呼ばれお部屋の広さはバルコニーも合わせて各34㎡あり、バルコニーにはやはりデイベッドがあります。
客室パビリオン以外に、レセプションやロビー、ミーティングルームがあるパビリオンと、レストラン「Sea Salt」があるパビリオンが隣接しています。また、海沿いにオープンエアの小さな建物の「オーシャンバー(Ocean Bar)」と「SPA」もあります。
客室はビーチに向かって45度の角度で配置されており、どのお部屋からも澄んだ海の景色を眺めることができるようになっています。
2024年1月現在のHYATT内のランクはカテゴリー1です。カテゴリー1のホテルにポイント宿泊する場合、ピークシーズンは6,500ポイント、レギュラーシーズンは5,000ポイント、オフピークシーズンは3,500ポイントとなります。
レセプションとロビーの様子
ホテルに到着し、チェックインはロビーにあるソファで行われました。その際、ウエルカムドリンクをいただきました。ジンジャー(しょうが)とハチミツを混ぜ合わせて作ったスペシャルドリンクです。適度に冷やされており、すっきりとして飲み易いのものでした。
レセプション
お部屋のキーはカードタイプではなく、リアル鍵を使用しています。Gecko(ヤモリ)のキーホルダーがついており、こだわりもあるようです。ヤモリはこのホテルのマスコットでシンボルのようなものでしょう。この後、いろんな所にヤモリのオブジェが見られました。
アランアラン葺きの屋根で天井が高いのは、ここに来る前に滞在したハイアットリージェンシー・バリでも見られたので、バリ島の典型的な建物だと思いました。しかし、この記事を書いていてわかったのは、ハイアットリージェンシー・バリは以前はバリ・ハイアットと呼ばれており、その建築設計に、独立する前のケリー・ヒルも携わっていたということです。つまりアリラ・マンギスの建物の設計に、バリ・ハイアットの建築設計が影響し、さらには後の彼の作品や人生にも大きく影響を与えたと考えられます。
客室の様子(デラックスルーム)
我々がアサインされたお部屋は、海に一番近い客室パビリオンで、スタッフの方が案内してくれましたが、レセプションから5分くらいは歩きました。タウンハウスのようになっており、2階のデラックスルームの方でした。
お部屋の中は開放的です。海に一番近いロケーションにあるため、波の打つ音が聴こえてきます。
バルコニーにあるデイベッドからはココ椰子の木、緑の芝生ガーデン、プール、海が見渡せます。バルコニーのデイベッドで潮風を感じながら、寝ころんで波の音を聴きながらまったりできるのは、本当に至福の時間です。
ただし、蚊がいますので虫よけスプレーは手放せません。蚊取り線香もホテルのお部屋に常備されています。
お部屋の中にもデイベッドタイプのソファがあり、ウエルカムフルーツと直筆のメッセージカードも添えられていました。また、東南アジア産のパンダンリーフ製らしいサンダルや懐中電灯カバーもバリ島らしさを感じさせてくれます。
デイベッドタイプのソファの横には冷蔵庫があり、その上に飲料水やコーヒー、カップなどが置かれています。特に水道水は飲まない方が良いとされるので、リサイクルボトルで提供されるお水は重宝します。歯磨きの際にもこのお水を使うことになります。
バスルームの様子
バスルームエリアには、シングルタイプのシンクと、シャンプー・コンディショナー・シャワージェル等のパーソナルケア用品はハンドメイドのオリジナル品が用意され、トイレはTOTOの簡易シャワートイレのエコフラッシュでした。
パーソナルケア用品に使う原料は、ALILAが独自に開発したものを使用し、添加物は一切使われていないそうです。
バスタブはなく、シャワーだけですが、オーバーヘッドシャワーもありました。
レストランの様子
ホテルのレセプションやロビーがあるパビリオンに隣接する形でレストラン「Sea Salt」があります。オープンエアのバリニーズのパビリオンです。
ディナー
チェックインした当日の夕食はこちらでいただきました。Dinner MenuのMAIN COURSESから一品ずつ選びました。「Nasi Goren Sune Cekuh」(ナシゴレン) と 「Tempe Tahu Kare」(カレー)を注文しました。やはりインドネシア料理の味は我々の舌に合います。
ルームサービス
2日目の夜のディナーはルームサービスを注文しました。レストランまで5分近く歩くのと、雨季の関係からか夕方にスコールがあったからです。ルームサービスは「Sea Salt」のメニューとほぼ同じですが、不思議なことに価格は若干安くなっています。運んできてくれた人にはチップを渡しますが、2万ルピア程度なので、合計しても割安に感じます。
注文したのはバリ島で「一緒に食べる」という意味の「Magibung」を注文しました。二人でシェアをしてちょうどよいボリュームでした。バナナの木の葉っぱに載せられており、見た目も味もバリ島らしく神々しい感じがしました。価格は税金・サービス料込みで423,500ルピアでした。
朝食
チェックインの翌日の朝食はブッフェスタイルでした。日曜日だったからのようです。恐らく週末はブッフェスタイルになるのでしょう。お料理は何を食べても美味しいし、ドリンクも何を飲んでも美味しいので感動してしまいます。
2回目の朝食は月曜日でしたので、アラカルトメニューの中から選ぶスタイルになっていました。最初にかなり大きめにカットされたフルーツと、ドラゴンフルーツとヨーグルトをシェイクしたドリンク、パン類を持ってきてくれます。アラカルトの選択は、ミーゴレン、フレンチトースト、エッグベネディクトにしました。ドラゴンフルーツとヨーグルトのドリンクは色も鮮やかで、とっても美味しくカラダにも良さそう!と感じました。
メニューの中にジャムウ(JAMU)がいくつかありましたが、病気に対する効能まで細かに記載されていました。ジャムウとはバリ島の美容健康ドリンクです。ハーブ・植物の葉っぱや実、皮などを調合し作るようですが、美容や免疫力アップに効果があるそうです。様々なバリエーションがあるようです
また、レストランは池で囲まれているため、朝にはハスの花が咲き、海も見えて非常にすがすがしい気持ちになります。
オーシャンバーの様子
敷地内からビーチへ出る所に「Ocean Bar」があります。オープンスペースで、そこからの海の景色や波の音、心地よい潮風と潮の香り、小鳥のさえずり、プール、緑の芝生、ココ椰子の木、アランアラン葺き屋根の各パビリオン、五感を通してのどかさが伝わり、心が落ち着いて癒されてしまいます。
夜はアルコールなどを提供するバーですが、昼間の14時~17時は無料アフタヌーンティーサービスの時間になります。レギュラーコーヒーの粉を濾過せずそのままお湯と一緒に沸かす方式のバリコーヒーやアイスティー、バリのお茶菓子などがいただけます。お茶菓子は日によって違います。
プールの様子
アリラ・マンギスのプールはごく普通の約20mスクエアの形をしています。ところが、この何の変哲もないプールと周りの芝生やココ椰子の木、各パビリオンの配置が絶妙なのです。人間の心に落ち着きを与えてくれます。「ケリー・ヒル マジック」と呼びたくなります。
また、デッキチェアでくつろいでいると、スタッフの方が冷たいお水をそっと置いてくれます。何かご注文はありますか?と遠まわしにオーダーを強要されることも全く感じられません。
プールで遊んでいる大人たちも童心にかえって皆さん笑顔です。Gecko(ヤモリ)のオブジェが守ってくれているのでしょうか。
バリ島全体がパワースポットですが、アリラ・マンギスのスクエアプールはパワースポットの中のパワースポットと言えそうですね。
スパ(SPA)
筆者は利用しませんでしたが、アリラ・マンギスのスパも人気があります。一番海に近い客室パビリオンの1階にもスパ用の部屋がありますが、海沿いにもオープンエアのスペースにベッドが2つ並んでいます。波の音を聴き、潮風も感じながら施術されるのは究極のヒーリングになるでしょう。次回は利用してみたいものです。
まとめ
「アリラ・マンギス」はバリ島の中心街から離れているのであまりメジャーではありませんが、その分ゆっくり落ち着きたい人には「究極のリゾート」と呼ばれています。実際に宿泊してみると、その意味がよくわかりました。筆者が勝手によんでいますが、「ケリー・ヒル マジック」のおかげでしょう。つまり、絶妙な建築デザインで人の心に癒しを与えてくれるのです。
1泊当たり3,500ポイントでこれだけのサービスを受けられるのは、本当に「奇跡」と言えるでしょう。まさに「ALILA !! (驚愕)」です。
今回は2泊だけでしたが、次回は1週間くらいは滞在したくなりました。アグン山を望む有名なランプヤン寺院にも比較的アクセスし易いようなので、スパやアクティヴィティにも挑戦してみたいものです。
皆さまも是非足をお運びいただき、「究極のリゾート」を体験してみて下さい。