【宿泊記】インターコンチネンタルマルタ|地中海リゾートと歴史が交わる5つ星ホテルをブログレビュー
本記事の舞台は、「マルチーズ」に由来する地中海の小さな島国「マルタ共和国」です。「マルチーズ」と聞いて可愛いワンちゃんを思い浮かべる方は多いと思います。では、「その名の由来の国は?」と聞かれて、すぐに答えられる方はどれくらいいらっしゃるでしょうか。マルタ共和国は地中海のほぼ中央、イタリアのシチリア島の南に浮かぶ島国です。

7,000年を超える歴史を持ちながら、日本ではまだあまり知られていないマルタ。その拠点に選んだのはインターコンチネンタル マルタです。館内施設はもちろん、空港からのアクセスや街歩きのコツまで、マルタを訪れる方に役立つ情報をご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
IHG(インターコンチネンタルホテルズ&リゾーツ)とは
IHG(IHG Hotels & Resorts)は、英国に本社を置く世界最大級のホテルグループのひとつで、インターコンチネンタルマルタもその傘下で運営されています。
本記事執筆時点で、100カ国以上に6,600棟超のホテルを展開し、20のブランドを擁するグローバルカンパニーです。
ポイントプログラムはIHG One Rewardsで、滞在やIHG提携カードの利用でポイントを貯め、無料宿泊や特典へ交換できます。今回の旅では特典利用はしていません。
インターコンチネンタルマルタとは
インターコンチネンタルマルタは、マルタ共和国の繁華街セント・ジュリアンズに位置する19階建て・全481室の大型5つ星ホテルで、観光の拠点としてもリゾートとしても申し分のない立地を誇ります。開業は2003年1月で、マルタ共和国がEUに加盟した翌2004年の前年にあたります。国際的な注目が高まる前年に、IHGはフラッグシップブランド「インターコンチネンタル」でいち早くこの地へ進出しました。
マルタ国際空港から車で約20分、首都ヴァレッタまでも15分という好立地で、レストランやバー、ショッピング施設が徒歩圏内に集まっています。島国でありながら浜辺が少ないマルタにおいて、ビーチが近い点も魅力です。
館内にはレストラン&バーのほか、屋内外のプールやプライベートビーチクラブ、スパ、フィットネスセンターも完備されています。ビジネスユースから家族旅行まで、幅広い旅のスタイルに対応できるホテルです。
マルタ共和国について
マルタは面積わずか316平方キロメートルながら、エジプトのピラミッドより古い巨石神殿が残るほど歴史の重みが格別な島国です。東京23区の半分ほどの国土しかありませんが、紀元前3,600年頃に建てられた巨石神殿の遺跡はその象徴といえます。フェニキア、ローマ、アラブ、聖ヨハネ騎士団、イギリスと、地中海の覇者たちが次々とこの島を支配してきました。石畳の首都ヴァレッタには幾重もの歴史が重なり合い、旧市街ではバロック建築、アラブの意匠、英国統治の痕跡が今も共存しています。ヴァレッタはUNESCOの世界遺産に登録されており、2018年には欧州文化首都にも選ばれました。
歴史に加え、年間300日以上の晴天と透明度の高い地中海の海がリゾートとしての条件を高い水準で満たしています。公用語に英語が含まれているため、日本人にとって言語の壁が低い点も大きな利点です。「歴史と太陽とビーチ」をこれほどコンパクトに体験できる旅先は、なかなか見当たらないのではないでしょうか。
マルタ共和国へのアクセス
マルタへは日本からの直行便がなく、ドバイや欧州主要都市を経由するルートが一般的です。日本からの総フライト時間は乗り継ぎを含めて15〜20時間ほどかかります。私は地理的に近いという理由でミラノから乗り継ぎましたが、発着便数が少なく不便な乗り継ぎとなりました。ロンドンやフランクフルトなどの方が便数が多く、結果的に早く到着できる可能性もあるため、さまざまなルートを比較してみてください。
空港からインターコンチネンタルマルタへのアクセス
タクシー編
インターコンチネンタルマルタへは空港から約20分、料金は€20(1台あたり)と比較的リーズナブルです。インターコンチネンタル マルタでは空港往復送迎サービスを実施していないため、マルタ国際空港(MLA)からホテルまではタクシーを利用しました。マルタの島内公共交通機関はバスしかないため、初めて訪れる方にはタクシーがお勧めです。
マルタ空港では「マルタ タクシー」が公認とされ、定額制サービスが提供されています。24時間365日対応しており、空港の手荷物受取エリアを出るとすぐの「ウェルカマーズ・ホール(Welcomers’ Hall)」に設置されたブースで定額チケットを購入する仕組みです。メーターなし・交渉なし。行き先エリアごとに料金が決まっており、渋滞や時間帯に関係なく同額です。「定額制」なのはとても理に適っています。先述の通りマルタには鉄道がないため、通勤通学にはバスや車が使われています。そのためラッシュ時の渋滞は日常的で、メーター運用だと時間帯や行先によって費用がかさむ場合があるのです。

乗車手順はとてもシンプルな3ステップ!
STEP1:カウンターで目的地を告げ料金を支払う
定額料金表が壁に掲示されているので明朗会計!複雑な会話もご無用。お支払いにはクレジットカードも使えます。
STEP2:チケットを受け取る
発行されるチケットがそのまま乗車券になります。
STEP3:乗り場で先頭の車に乗り込む
ターミナル外に並んでいるタクシーに乗り込み、チケットをドライバーに渡すだけで出発です。料金はすでに支払い済みのため、到着後に現金を慌てて用意する必要もなく、言語の心配もありません。
公式のタクシー料金については、以下の空港公式ページで確認できます。
マルタ国際空港公式(定額料金表あり) https://maltairport.com/transport/taxi-service/
Malta Taxi 公式サイト https://www.maltataxi.mt
インターコンチネンタルマルタへは空港から約20分、料金は€20(1台あたり)と比較的リーズナブルです。複数名での旅行であれば1人あたりの負担はさらに小さくなります。到着後すぐにホテルへ向かいたい方には、タクシーが手軽でスムーズな移動手段です。
深夜・早朝便での到着でも割増料金はなく、定額料金は時間帯を問わず一定です。ただし12月25日・1月1日のみ祝日手数料(€4.50)が加算されるため、ご注意ください。
アプリ配車サービス編
BoltやUberなどのアプリ配車サービスは、ターミナル前ではなく徒歩約2分の駐車場「P1(ライドサービス乗降エリア)」から乗車します。アプリ系の車両はターミナル前への乗り入れが禁止されているため、ご注意ください。
各アプリを初めて利用するときは本人確認の手続きでSMS通信等が発生します。出発前に日本国内で登録を済ませておくのがおすすめです。
料金は需要と供給で変動し、マルタではラッシュアワー時に上述の定額タクシーよりも高額になるケースがあります。海外のアプリ配車は公共タクシーより安価なイメージがありますが、必ずしもそうとは限りません。予約確定前に料金を比較されることをお薦めします。
インターコンチネンタル マルタ
インターコンチネンタル マルタは、外観からは想像しにくいほど客室数や施設が充実したホテルです。表玄関は比較的カジュアルでコンパクトな造りで、面する道路も片道1車線のため、外からホテルの規模をうかがい知ることはできません。

ホテルロビーやレセプションも、規模に対してコンパクトな印象を受けます。ロビーのソファは時間帯によって一掃されていることもあり、企画や団体の動向に応じて柔軟にレイアウトが変わるスペースのようでした。



客室フロアに上がるとエレベーターホールが広々としており、ホールの左右に長い廊下が延びて客室が連なっています。外観やロビーのコンパクトさとは対照的に、客室フロアではホテルのスケールの大きさを実感できます。
客室レビュー
インターコンチネンタル マルタの標準客室「クラシックルーム」は、ブラック&グレーで統一されたモダンなインテリアが特徴で、落ち着いた雰囲気が印象的です。宿泊したのは35㎡のこの客室タイプです。


バルコニー付きで、中庭と街の様子を眺められます。

ボトルのお水が毎日提供されました。

そのほかに、ウェルカムウォーター&スイーツの用意があったのは嬉しいポイントです。箱に入っているのはホテル特製のマカロンでした。

セルフサービスで頂けるドリンクは、インスタントコーヒーのほか、ティーバッグは紅茶、カモミールティー、緑茶です。


クローゼットの中には厚地のバスローブが用意されていました。

靴のメンテナンスキットがあるのは嬉しい配慮です。

バスルームもブラック&グレーで統一されています。
バスタブが付くのはプレミアムルーム以上で、クラシックルームはシャワーのみです。オーバーヘッドシャワーとハンドシャワーの両方があり、使いやすい仕様でした。

一般的なアメニティはひと通り揃っています。

バスアメニティはスカンジナビア・ミニマリズムを謳うスウェーデンブランドの「BYREDO」です。中性的で男女ともに使いやすい香りのセレクトはさすがといえます。

「ドライヤーの温度と風量次第で、旅の質が変わる。」というのが持論ですが、今回は高品質でした!
◆空調
私が滞在した2026年3月上旬は、客室ではエアコンが使えませんでした。故障ではなく、ホテルの方針でそのように設定されているようです。外気温が20℃前後の日々だったので個人的には不都合ありませんでしたが、気になる方もいらっしゃるかもしれませんので記しておきます。
朝食はHarru(ハッルーバ)でマルチーズを堪能
朝食会場はホテル内に6つあるレストランのうち、3階の「Harru(ハッルーバ)」で、マルタの食文化を存分に味わえる品揃えが魅力です。「Harru」はマルタの大地に深く根ざした在来の木を意味し、その名は「マルタらしくある」ことを宣言しているかのようです。実際、メニューの品揃えはまさにその通りで、旅人の心を躍らせるものでした。

横に長いお部屋で、ロビーが見下ろせる窓際席が私のお気に入りでした。反対側のガラス張りの吹き抜け天井席も自然光が降り注ぎ、明るく素敵な空間です。

まるで市場のように丸ごとの果物が並べられている光景は圧巻です。これとは別にふんだんなカットフルーツも用意されています。まだ3月だというのに、ぶどうをはじめスイカやメロンまでが毎日提供されており、学校で習った「地中海性気候」とはこういうことかと実感しました。

サラダコーナーにはたっぷりのオリーブが並びます。ドレッシングは見当たらず、ひよこ豆、白ゴマやトマトのペーストが添えられていました。アラブ系のイメージがあるこの食べ方は、マルタでも定番のようです。歴史の名残りなのでしょう。

卵を使った温かいお料理は、好みのメニューを選んで作っていただけます。初日は「エッグ フロレンティン」をオーダーしました。

ベーコンが使われていないため、「エッグベネディクト」よりもあっさりいただけました。ベースのパンが軽く、2個ともペロリ。このパンは食パンでもフランスパンでもなく、「マルチーズ」でした。

酵母の香りがして、外はカリっと、中は空気をたっぷりはらんで軽い噛み心地です。私はすっかりこの「マルチーズ」パンの虜になりました。

「マルチーズ」という言葉は、「ジャパニーズ=日本の」と同じ語の構造で、「Maltese=マルタの」を意味する英語であることに、このパンのネームプレートを見て初めて気づきました。余談ですが、犬の「マルチーズ」の由来を調べたところ、紀元前1,500年頃、地中海貿易の中継地であったマルタ島にフェニキア人の水夫たちが持ち込んだ犬が祖先とされています。島国マルタの隔離された環境の中で近親交配が繰り返されたことで純血が保たれ、現在のマルチーズの姿が生まれたといわれています。ちなみに、「マルチーズ」犬は現在のマルタ島ではほとんど飼われていないそうです。

「マルチーズ」の名産品は他にもあり、マルタ騎士団のフィギュアと共にコーナーが作られていました。

私がほかにも個人的に「マルチーズ」だなと感じたのは、1964年まで領主国だった英国の食文化が踏襲されている点です。紅茶はポットでいただけるように供されています。

ホットフードには、カリカリの細いショルダーベーコンに加えてハムタイプの肉厚ベーコンもしっかり用意されていました。ほかにもベイクドビーンズ、炒めマッシュルーム、オーブン焼きトマト、

熱々のソーセージなど、正統な英国式朝食をイギリス以外のヨーロッパで経験したのは初めてでした。

紅茶の環境が整っていると共に、コーヒーにも力を入れているようで、専門カウンターが設けられていました。私は毎日、朝食後にこちらでテイクアウトのカプチーノを作っていただき、お部屋で一服して落ち着く時間をもてました。

ホテル施設
インターコンチネンタルマルタは、5つ星にふさわしい充実した施設を備えています。ここからは、その主な施設を順にご紹介します。
ビーチクラブ

宿泊ゲストは無料でアクセスでき、サンベッド・パラソル・ビーチタオルがすべて用意されているため手ぶらで利用できます。セント・ジョージズ・ベイのビーチクラブは、ホテル本館からおよそ200メートル、徒歩数分の場所に位置しています。夏にはウォータースポーツの拠点としても活躍します。ビーチ自体は公共ですが、準備不要で気軽に赴けるのはホテルゲストならではの醍醐味です。カフェも併設されており、地中海の風にあたりながらくつろぐだけでも心地よい時間を過ごせます。

屋外プール
インターコンチネンタルマルタには屋外プールが2カ所あり、夏季限定で営業しています。1つは、ご家族でも楽しめる10階の「Narcis(ナルシス)」で、宿泊者にはアクセスカードが貸与されます。

もう1つは、季節的に利用できなかったのが本当に残念でならないインフィニティプール「SKYBEACH(スカイビーチ)」です。最上階の19階に位置し、日中はマルタ市街を一望できるほか、地中海に沈む夕日を臨めます。セント・ジョージズ・ベイに停泊するボートを眺めるのも素敵です。スイート宿泊者は無料、そのほかのお部屋の場合は€60で1日利用可能です。
室内プール(スパ併設)
17メートルの室内温水プールがあり、年間を通じて宿泊者は無料で利用できます。10~18時はお子様を含めたご家族利用が可能で、その前後の早朝と夕方以降23時のクローズまでは大人専用の利用時間となっています。この時間帯の区切りにより、家族連れも大人もそれぞれの目的に合わせて楽しめる仕組みになっている点が魅力的でした。

スパ
「CARISMA SPA & WELLNESS(カリスマ スパ&ウェルネス)」は、35年以上の実績を持ち、世界50以上の5つ星ホテルにも展開するスパブランドで、室内プールの向かい側に併設されています。主な設備はインドアプール、トルコ式浴場「ハンマーム」、スチームルーム、サウナ、ハロセラピー(塩療法)ルームなどで、多彩なリラクゼーション設備が一か所にまとまっています。泳いだあとにサウナで体を温められるのも便利です。

フィットネスセンター
ホテル宿泊者はマルタ最大級のスポーツジム「CYNERGI(サイネルギ)ヘルス&フィットネスクラブ」を利用できます。ホテル施設のなかで個人的に一番驚いたのが、このフィットネスセンターの規模です。これまで見てきたホテル併設のジム施設とは、大きさも専門性も段違いの印象を受けました。ホテルから中庭を経由してアクセスする仕組みになっています。

有酸素マシン、フリーウェイト、サスペンショントレーニング設備、スカッシュコートを完備しており、ふだんから運動をされている方にも不足はないでしょう。

200㎡のスタジオも併設されており、ヨガやピラティスなどのクラスが毎日開催されています。ホテル宿泊者も参加できます。

フィットネスセンターはホテルの別館にあたるため、導線が中庭経由です。実は建物の公道側にも別の入口があり、市中のスポーツジムをホテル宿泊者が利用できるシステムとなっています。

カジノ
インタコンチネンタル マルタはホテル内にカジノを備えており、滞在中に気軽に立ち寄れるのが魅力です。カジノ内にはスポーツバーも併設されているため、ポーカーやスロットをしない方でもカジュアルに楽しめます。
マルタ巡りのヒント:驚きのバス網
マルタの公共バスは公式アプリ「Tallinja」と組み合わせることで、旅行者でも迷わず島内を周遊できる優れた交通手段です。島内の移動手段にはレンタカー、タクシー、アプリ配車サービス、公共バスがありますが、私はバスを活用して島のあちこちを探索し、その便利さに驚いたのでご紹介します。
バス会社は1社のみで、島内全域へ路線が張り巡らされています。
公式アプリ「Tallinja」では、出発地と目的地を入力するだけで乗車番号と乗り換え情報が一目でわかり、運行のリアルタイム位置情報も確認できます。あと何分で到着するかをアプリ上で把握できるため、バス停での待ち時間も無駄になりません。Googleマップとの併用も可能なので、使い慣れたアプリでルートを確認してからTallinjaアプリで時刻を絞り込む、という使い方も実用的です。
1枚のチケットで購入から2時間以内であれば乗り降り自由なため、乗り継ぎのたびに料金を支払う必要がありません。季節によって多少運賃が変わるようですが、VISAかマスターのタッチ式クレジットカードが利用できるので、金額や小銭の心配も無用です。
日本国内でも知らない土地でバスに乗るときは降りるタイミングなど不安になりますが、初めて足を踏み入れたマルタでも一切困惑することなくバストリップを楽しめました。
インターコンチネンタル マルタから徒歩7分のところに多くのバス路線が通るバス停があり、観光拠点としても非常に便利でした。
インターコンチネンタル マルタまとめ
マルタ共和国はとても安全で清潔な国です。気候にも恵まれ見どころも豊富なため、旅先として大変おすすめです。ヨーロッパ大陸は行きつくしたという方にとっても、新たな発見が多い国だといえます。
インターコンチネンタル マルタは旅の拠点として地理的に非常に便利な立地にあり、ホテル内だけでも充実した時間を過ごせる施設が揃った素敵なホテルです。
アクセス
INTERCONTINENTAL MALTA
St. George’s Bay, St. Julian’s STJ 3310, Malta
ホテルはSt. Julian’s地区のSt. George’s Bay沿いに位置しています。
地図

