【宿泊記】バリ島マティス・ロッジ・アメッドのブログレビュー

今回は、2024年12月にインドネシアのバリ島東北部にあるビーチリゾートAMED(アメッド)から山の方に車で20分くらいの所に位置するマティス・ロッジ・アメッド(MATHIS LODGE AMED)に宿泊した様子をシェアさせていただきます。
アメッドはダイビングやシュノーケリングスポットとして有名ですが、ングラ・ライ(デンパサール)国際空港からはかなり距離があるため、日本人にはあまりメジャーではない場所です。
宿泊料金が比較的リーズナブルだったのでワールドオブハイアットのブランドエクスプローラーアワード獲得(Mr&Mrs Smithブランド)のための実績を積む目的で予約しました。ところが、あまり事前調査もせずに向かったため、大変なことになってしまいました。筆者の経験とその反省を込めて、この記事がバリ島東(北)部訪問やHYATTのブランドエクスプローラーアワード獲得のための参考としてお役に立てれば幸いです。
マティス・ロッジ・アメッドの概要
マティス・ロッジ・アメッドは2019年6月にマティス・コレクションの3つ目のホテルとして開業しました。さらに2023年4月にハイアットが「Mr&Mrs Smith」を買収したため、Mr&Mrs Smithに所属していたマティス・ロッジ・アメッドはハイアットグループのブランドの一員となりました。これらの関係性については後述します。
マティス・ロッジ・アメッドはプライベートロッジ20棟からなるリゾートホテルです。敷地面積は2万㎡と広大ですが、全ての建物が海抜300m~400mの山の中腹に点在したロッジタイプで、それぞれの棟が独立しています。部屋数規準では20部屋と小規模ホテルとなります。
マティス・ロッジ・アメッドへ宿泊予約
HYATT系列に約800ヶ所以上のMr&Mrs Smithブランドのホテルが加盟し、ワールドオブハイアットのサイトから予約ができるようになってからどこのホテルを訪問しようかと漠然と考えていました。日本国内にもMr&Mrs Smith ブランドのホテルは2つあります。
Rakudo-An(富山県砺波市)とZaborin(北海道花園倶知安町)ですが、いずれも部屋数が少ないのか、なかなか空室がなく、あったとしてもかなり高額なので躊躇していました。
バリ島にもMr&Mrs Smith ブランドのホテルが7ヶ所ありました。2024年11月末から12月初旬にかけてバリ島を訪問・滞在することにしていたので、その機会にMr&Mrs Smith ブランドのホテルに宿泊しようと考えました。
少し遠くに位置しますが、マティス・ロッジ・アメッドが一番リーズナブルな価格帯でした。プライベートプール付きでも1泊約4万円でしたので、バリ島東部にあるやはりHYATT系のアリラ・マンギスに宿泊する前の日程で予約することにしました。
マティス・ロッジ・アメッドの宿泊料金
2024年12月1日(日)からの1泊に対して10月8日にWORLD OF HYATTのアプリから予約しました。プールロッジで料金タイプBASIC DEALで3,171,500 インドネシアルピアでした。これにサービス料と税金がかかりますので、3,837,600インドネシアルピアとなります。事前の11月30日に半額の1,918,800インドネシアルピアがWORLD OF HYATTに登録しているクレジットカードで決済されます。
夕食代490,050インドネシアルピアと850,000インドネシアルピアが加えられて残金を現地で決済することになりますが、前述のようにクレジットカードはVISAかMasterしか使えません。
食事代や交通費も合わせて5万円ちょっとでプライベートプール付のロッジで宿泊できるのは極めてリーズナブルだと思いました。
Mr&Mrs SmithとHYATTの関係について
Mr&Mrs Smithとは、2003年にイギリスで発祥した、ラグジュアリーホテルやブティックホテルの厳選されたコレクションに直接予約できる旅行クラブプラットフォームです。2020年にIHG(InterContinental Hotel Goup)とMr&Mrs Smithは提携を開始しましたが、HYATTが2023年にMr&Mrs Smithを買収したため、IHGとMr.&Mrs.Smithの提携は終了しました。
これにより、WORLD OF HYATTのメンバーは参加しているMr&Mrs Smithの加盟ホテルで特定のプログラム特典を利用できるようになりました。
ただし、すべてのMr&Mrs Smithの加盟ホテルがWORLD OF HYATTのプログラムに参加しているわけではありません。参加している加盟ホテルはHYATTの予約チャネルを通じて予約できるホテルやリゾートだけですので、都度、確認が必要です。
ちなみに「Mr&Mrs Smith」は訳ありの宿泊客がチェックイン時に使用した偽名に由来しています。「Mr.&Mrs. Smith」と聞くとブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーの共演したアクション・コメディ映画を思い起こす方もおられるでしょうが、こちらは2005年に米国で公開されているので、訳ありカップルという一般的な共通点だけで、特に資本や協賛等の関係はないと思われます。

マティス・ロッジ・アメッドへのアクセス
マティス・ロッジ・アメッドはバリ島のングラ・ライ(デンパサール)国際空港から106㎞の場所にあり、グーグルマップの計算上、車で3時間10分程度です。ただし、バリ島東部エリアは道路の幅が狭く、走行速度の遅いトラックが前を走っているとそのスピードに左右され易いのでさらに時間がかかることは間違いありません。現地ドライバーはイエローカットして反対車線に入って抜いていきますが、タイミングが悪いと大事故になりかねません。

麓のビーチリゾート、アメッドからさらに20分くらい山道を登りますが、途中から1車線しかないガタガタのダート道となり、慣れている車でなければ難しい道です。
こんな所にホテルがあるのか?と疑問に思える程、人里離れた辺鄙な所です。わずかに家はありますが、災害にでも遭って潰れてしまったのではないかと思いたくなるような印象を受けました。
筆者達はGRABを利用しましたが、ドライバーも途中から不安顔になっていました。後ろから来るオートバイの現地女性ドライバーに話しかけて確認していましたが、会話の途中で「えーっ、そうだったの?」というような怪訝そうな残念そうな顔をしていました。

車が轍(わだち)にはまり、タイヤが空回りして動かなくなる場面もありました。
「これ以上は無理!ここで降りてくれ!」
と言われたらどうしようかとビクビクしていましたが、プロ意識の高い素晴らしいドライバーだったので、数々の困難を乗り越えながら運転に徹してくれました。
何とかホテルのエントランスに到着しましたが、わずかな駐車スペースとゲートがあるだけで何もありません。騙されているのではないか?と不安に思いつつ車を降ります。
とりあえずドライバーには、あまりにも悪路を走ってもらって申し訳なかったので、大いなる感謝の意味を込めて10万インドネシアルピアをチップとして渡しました。ドライバーはビックリしていました。

マティス・ロッジ・アメッドのレセプション
レセプションはエントランスからさらに専用のバギー車に乗って専用道の急な坂道を下りた先にあります。4時間近く車に乗り続け、最後の30分くらいの山道でいい加減ヘロヘロになっているところに、またこんな急な坂道なんかいッ、と正直うんざりしてしまいます。

しかし、坂道を下ると眼下に海が広がり、息を飲むような素晴らしい眺望で、これまでの悪路からは想像もつかない程の別次元の世界が広がっています。

チェックインはレセプションではなく、向かいのレストラン「ASMAT」で行いました。レセプションにしてもレストランにしてもオープンエアのアランアラン葺きの伝統的なバリ仕様の建物です。

ウエルカムドリンクと一緒に白いマシュマロのようなものが木製の器に入って出てきました。水をかけるとモコモコと大きくなるではありませんか⁈

木製の器に入っていた食べ物かと思っていたのは・・・
よーく見ると・・・

実はお手ふき!
騙されてもう少しで食べそうになるところでした。笑
ドリンクはジンジャー系のジャムウです。グラスに入った白いものは、きめの細かいシャーベットでした。こちらは食感も良く、非常に美味しくいただきました。
チェックイン時にパスポートと決済用のクレジットカードが必要ですが、VISAかMasterブランドしか使えませんので要注意!です。
マティス・ロッジ・アメッドの客室の様子
チェックインをしたレストランから客室へはホテルの方が案内してくれます。これまた急峻な山道を滑らないように降りて行きます。

いくつかのロッジを過ぎた先に筆者達の宿泊するロッジがありました。全て独立タイプというのはプライベートが確保されていていいですね。

木の枝をそのまま利用したドアノブや、手造り感満載の建物に、子どもの頃に秘密基地造りをして遊んだ頃のワクワク感がよみがえってきます。

玄関を開けると天蓋付きの大きなベッド、パナマ帽をかぶった置物があるクラシックな机、窓の外にあるプライベートプール、が目に飛び込んできます。



部屋の機能などをひと通り案内していただきました。キングサイズベッドと別室にシングルベッドが2つあるファミリータイプのお部屋でした。後からわかりましたが、このホテルにはプライベートプール付きの客室が2タイプあり、2人用と4人用です。10月初に予約した時は「プールロッジ」(80㎡)のお部屋を予約していましたが、これは2人用だと思われますので、4人用の「ファミリープールロッジ」(95㎡)にアップグレードしていただけたものと考えられます。このホテルは現在、一般の宿泊予約サイトからは予約できますが、WORLD OF HYATTの公式サイトからは予約ができない状況となっています。

棚もクラシックな感じが出ていますが、さすがに冷蔵庫は一般的なタイプです。中の飲料は有料です。


ウエットエリア
建物の半露天部分にウェットエリアがあり、ウォークインシャワー、原始的な趣の蛇口がある洗面台、トイレなどがあります。バスタブはなく、中庭があります。





プライベートプール
ロッジの広いテラス部分にはデイベッドにソファ、7m×3mのプライベートプールがあります。山や海を眺めながら人目を気にせずバースデースーツで泳いだり、ぼお~っとしたり、本当に至福の時間を過ごすことができます。もちろんインフィニティプール仕様です。




マティス・ロッジ・アメッドのレストラン
レストランは山の斜面に広がる敷地の中心部分にある{ASMAT」1ヶ所だけです。ロッジからは急な山道を登るため、レストランに着く頃には息もハァハァしていました。それでも息を飲む絶景に疲れは吹き飛んでしまいます。



夕食
筆者達もこちらで夕食をいただきました。まだ明るさの残る夕方にお邪魔し、メニューを見るとリゾートホテルにしてはかなり良心的なお値段の料理が並んでいました。飲み物と「クリーミーカレー」「ミーゴレン(焼きそば)」を注文しました。食後に「パンナコッタ」も追加し、シェアしました。日本では見られないビジュアルと日本人にも合う味で、非常に満足しました。




料金は10%のサービス料が加わり、その合計額に10%の税金が付いていました。税金とサービス料が加えられた合計金額を見ても、こんな辺境地の険しい山道の上にあるレストランで、食材を集めこれだけの料理を作ってこの価格で提供できることに驚きと賞賛を送りたいと思いました。
夜になり、電灯がつくと、その光を求めて虫が寄ってくるので、それが苦手な人は電灯から離れた席にする方が良いかと思われます。森の中にあるオープンエアスタイルのレストランだとどうしても虫は入ってきてしまいます。


レストランの帰りは真っ暗な山道を下りて行きますが、ところどころに電灯があり、やはりその光を求めて羽根虫が寄ってきていました。
朝食
ロッジの宿泊者には朝食が基本的についてきます。朝7時半からレストランはオープンしており、朝食をいただくために急な山道を登っていきました。やはり息を切らしながら登り、さらにはレストランからの眺望にブレステイキングします。

朝食はフレッシュジュース、暖かい飲み物、メインディッシュを11種類から選択、あと希望者にはバターと自家製ジャムのトースト及びフルーツもつけることができます。
筆者達は壮大な名前に釣られて「バリ・マジェスティック・スムージー・ボウル」「ナシゴレン」にバターと自家製ジャムのトースト及びフルーツも追加しました。
バリ・マジェスティック・スムージー・ボウルは名前負けしない荘厳なビジュアルと味を堪能することができました。




食後、ウエイトレスが実はサービスとしてサンセットドリンクを昨日出す予定だったけれど、今からでもよければ提供しますとの申し出がありました。昨日は夕食時にビンタンビールとトニックウォーターを注文したのになあ・・・サービスもあったんだ、と思いつつ、一度ロッジに戻ってまた来るのも大変なので、アルコールドリンクでホテルの名前を冠した「マティス・ダイキュリ」とノンアルコールドリンクの「スムージーズ・ウイズ・グリーク・ヨーグルト」をいただくことにしました。実際にキレイな色で味も美味しかったです。
さらに、ウエイトレスより「Tripadvisor」にもコメントを入れてね、ということだったので、その場でQRコードを読み取り、コメントを投稿しました。



マティス・ロッジ・アメッドの周辺情報
マティス・ロッジ・アメッドはアクセスが非常に困難な場所にあります。周辺の観光地へ行く場合もホテルと提携しているタクシーを呼ぶ方が安全です。お部屋にあるQRコードを読むとタクシー料金も載っているページが出てくるので、ホテル付で料金を精算することができます。筆者達はチェックアウト後に車で1時間半程離れているアリラ・マンギスへ行くのに、ホテルを通じでタクシーを予約して送迎していただきました。85万ルピア(約8千5百円)でした。
「天空の寺院」として有名なランプヤン寺院の駐車場には車で50分程度で行けますが、駐車場からは別の乗合バスに乗り換える必要があります。フォトジェニックな写真を撮ってもらうのにも3時間待ちとかは普通にあるようです。

アメッド・ビーチはダイビングやシュノーケリングで有名な場所です。日本人観光客はほとんどおらず、豪州含む欧米系の観光客が長期で滞在しているケースが多いようです。「日本船遭難地」という場所もあり、船が沈んでいてシュノーケリングスポットとなっています。

まとめ
マティス・ロッジ・アメッドはアクセスが非常に困難な場所にあります。事前に知っていれば驚くことはありませんが、全く知らないと向かっている途中でこんな所にホテルがあるのだろうか?と心細くなってきます。
険しい山道という困難を乗り越えたからこそ、達成感のような不思議な感覚を感じることができます。また、人里離れた山道を心配しながら登ってきた経験があるからこそ、到着してからの世界とのギャップがよけいに異次元の場所に迷い込んだ錯覚に陥るのだと考えられます。
実際にこんな所にロッジを作ろうとするのはかなりクレイジーなプロジェクトだったようです。皆さまも是非、この桃源郷のような独特の異次元の世界を経験なさってみて下さい。