【宿泊記】ウォルドーフ・アストリア大阪のブログレビュー(ポイント宿泊・ダイヤモンド)

ヒルトン系列の最上級ホテルブランドであるウォルドーフ・アストリアが2025年4月3日に大阪に開業しました。ヒルトンの創業者コンラッド・ヒルトンが「全てのホテルの最高峰」と賞賛し、その後にヒルトングループに迎え入れた程のホテルです。そのホテルが日本に初オープンするのですから、期待も高まります。新規開業当初は何かと初期トラブルが起きやすいものですが、筆者はハプニングも承知の上で開業直後に宿泊しましたので、その際の様子をご紹介いたします。
ウォルドーフ・アストリア大阪の概要
ウォルドーフ・アストリア大阪は、JR大阪駅に隣接するグラングリーン大阪南館パークタワー内にあり、1階と2階および28~38階に全252室の客室を有しています。JR大阪駅からは、うめきた地下口(駅)を利用すると徒歩約4分という非常に便利な場所に位置します。

世界で最も有名な高級ホテルブランドのひとつであるウォルドーフ・アストリアですが、既に全世界に35ヶ所のホテルを開業しており、大阪は36番目となります。(2025年4月現在)
ウォルドーフ・アストリアの歴史
ウォルドーフ・アストリアは、1893年に米国ニューヨーのフィフィスアベニューにウィリアム・ウォルドルフ・アスターが建設した13階建ての「ウォルドルフ・ホテル」と、その従兄弟のジョン・ジェイコブ・アスター4世が1897年に隣接地に建設した17階建ての「アストリア・ホテル」が起源となります。
両ホテルは同じ経営者によって統合され「ウォルドーフ・アストリア・ニューヨーク」が誕生し、両建物はピーコック・アレーでつながります。後年、その場所にエンパイアステートビルが建つことになったため1929年に取り壊されて、1931年に現在のパークアベニューに47階建ての「ウォルドーフ・アストリア」として、再オープンしました。
ウォルドーフ・アストリアは、アール・デコ様式の豪華な内装と最高のサービスで知られ、歴代アメリカ大統領や世界の著名人が宿泊してきました。また、映画やドラマの舞台としても頻繁に登場し、ニューヨークのランドマークとして世界的に有名となりました。
筆者がウォルドーフ・アストリアの名前を聞いて連想するのは、1988年公開の映画『星の王子 ニューヨークへ行く』(原題:Coming to America)です。エディ・マーフィが主演で、ウォルドーフ・アストリアも舞台として使われていました。
アフリカの王国「ザムンダ」の国王が歩く時、必ずバラの花びらがまかれるシーンが印象的でした。また、宿泊先としてウォルドーフ・アストリアの名前が頻繁に出てきていました。
以来、一生に一度は泊まってみたい筆者の憧れのホテルとなり、2023年の秋にニューヨークを訪問する際に宿泊予約の空き状況を確認しましたが、空室は全くありません。
実際にニューヨークに着いてからパークアベニューに面するホテルの前を歩いてみると、全面改装工事中でした。2025年春オープンとなっていますが、現時点ではまだ宿泊はできず、2025年9月1日以降予約が取れる状況です

出典:公式サイト
ウォルドーフ・アストリア大阪へのアクセス
ウォルドーフ・アストリア大阪はJR大阪駅の北側の「うめきたエリア」にあり、JR大阪駅うめきた地下駅から徒歩4分です。車の場合、再開発中のため道路はあってもいたる所にバリアがあって大廻りしなければ行けないというもどかしさがあります。ホテルの駐車料金はセルフパーキングで1日4千円、バレーパーキングで1日6千円です。近くのコインパーキングだと24時間まで1千円台からあります。


ホテルの車寄せにはVIP送迎用の車でしょうか、常にメルセデス・マイバッハが停まっていました。高級車でなければ近寄り難い雰囲気があります。

チェックイン
1階のエントランスを入るとホールになっており、大きなオブジェに目が奪われます。この作品は米国ネブラスカ州オマハを拠点として世界で活躍するアーティストの金子潤氏によるものです。

反対のエントランス側には、大きな絵画の前に新規開業をお祝いする国内ヒルトン系の他のホテルの総支配人名入りの胡蝶蘭の贈り物が多数見飾られています。

エントランスの二重の扉の内側に美しく手入れされた松の木があります。その奥にあるエレベーターで最上階の29階へ移動します。


建物の構造上、29階までの棟と38階まである棟がつながっているようです。29階のエレベーターを降りると桜の花の生け花が飾られています。

さらに、その向こう側には素晴らしい眺望が広がっており、「おおっ!」と思わず叫んでしまいます。

この吹き抜けの空間は「PEACOCK ALLEY」というレストラン&バーで、全世界のウォルドーフ・アストリアにも必ずあるようです。かつて「ウォルドルフ・ホテル」と「アストリア・ホテル」の間にあったピーコックアレーが名前の由来になっているものと思われます。

アライバルパビリオン(フロント)に行くにはさらに奥の方へと進みます。レストラン「Jolie BRASSERIE」の横の長い廊下を渡り、中庭を過ぎて宿泊棟へ入るとアライバルパビリオンがあります。


アライバルパビリオンと呼ばれるエリアは円形になっており、真ん中に常に水をたたえた黒い水盤と岩が鎮座しており、周囲は木でできたドーム状のようになっています。メジャーなホテルにみられるような開放感のあるレセプションではなく、木のぬくもりに包み込まれるような独特な感覚を受けます。


カウンターの方にチェックインの旨を告げると、お部屋も準備できており、そちらでチェックインをするので、ソファで少しお待ち下さいとのことです。
レセプションにいる方は、ウォルドーフ・アストリア大阪のプロパーの方と、他のホテルから応援に来ている方がおられるようでした。後に話しかけた他部署のスタッフの方は日本語がわからなかったり、スタッフ同士が中国語で会話している場面にも遭遇しました。ブランドにふさわしいクオリティを維持するためにグローバルで対応していることが感じられました。

筆者達に対しては女性スタッフが36階のお部屋まで案内して下さいました。客室の扉を開けてカーテンの開閉スイッチを入れると自動でカーテンが開き、窓の外に梅田スカイビルと淀川の絶景が広がっていました。夏に行われる淀川の花火大会は、方向的にバッチリ楽しめますとのこと。花火大会は毎年8月に実施されますが、今年は万博があるので10月に実施されるそうです。



お部屋のソファでチェックイン手続きをし、館内の説明やヒルトンの会員プログラム「ヒルトンオナーズ」のダイアモンドメンバーとしての特典の説明を受けました。朝食は29階のジョリーブラッセリーで2名分無料でいただけるほか、29階のピーコックアレイでサービスされるドリンクチケットもいただきました。レイトチェックアウトは13時まで認められました。ルームキーは環境に配慮した木製です。


ウォルドーフ・アストリア大阪の客室の様子
筆者達がアサインされたお部屋は36階の北側にある53㎡のプレミアムルームでした。ポイントを利用しての無償宿泊なので、通常なら48㎡のデラックスルームですが、ダイアモンド特典でアップグレードされたようです。
お部屋の中に苔のオブジェがあります。館内にも苔のオブジェが結構あります。また、ウェルカムフルーツとして3種類の色の違う高級イチゴが置かれていました。総支配人のアンドリュー・ムーア氏のサイン入り挨拶状もありました。宛名(筆者)と自署は直筆のようです。


ミニバーにはアルコール以外に急須セットやNESPRESSOもありました。水は炭酸ありと炭酸なしがあります。ミニバーの下にはグラスやカップ類、その下は冷蔵庫になっています。






冷蔵庫の飲み物の価格表はミニバーの棚にはなく、反対側のソファの上にあり、最低でも千円はします。

ベッドエリア
ベッドはキングサイズですが、ワイドではなく標準幅の180cmサイズです。ベッドの壁面には細かな木の細工がされており、外国から見た日本の伝統芸術という感じがします。マットレスはSerta製で寝心地は良く、ぐっすり眠ることができました。ベッドサイドテーブルにカーテン開閉スイッチやライトのスイッチ類もあり、機能的です。USBポートもタイプAとタイプCの2種類があり重宝しました。



ターンダウンサービスもあり、夕方館内探索をして部屋を離れている間にパジャマとスリッパが用意され、ルームサービス用の朝食メニューも置かれていました。ちなみにこのルームサービスの制度は、お客様のプライバシーを守るために1931年にウォルドーフ・アストリア・ニューヨークで提供されたのが世界初とのことです。よい伝統を誇りを持って守り続けている姿勢がうかがえます。


ターンダウンの際、ベッドサイドテーブルにはお水のボトルとコップ、オリジナルチョコレートが置かれていました。

気になるチョコレートの中身ですが、ナッツ入りミルクチョコレートとダークチョコレートです。

ウェットエリア
洗面台はダブルシンクで、バスアメニティはAesop(イソップ)製です。バスローブは肌に接する部分は柔らかい素材になっており、着心地も最高でした。

洗面台の反対側にバスタブがあり、洗面台の奥にトイレ、バスタブの奥にシャワーブースがあります。




バスアメニティは環境に配慮した素材が使われており、こだわりが感じられます。柄が竹製の歯ブラシ、柄が竹製のシェービングカミソリ、木製コーム、歯磨きはイソップのワサビ入りが使われています。


また、ドライヤーはdyson製が用意されています。

クローゼット
クローゼットエリアには十分な数の木製の丈夫なハンガー、ランドリーバッグ、スリッパ、パジャマ、金庫などがあります。シューシャインのサービスもあります。





アイロン台はクロゼット横の扉を開けると貼り付いたように立てかけられていました。
初めて見るパターンです。

「PEACOCK ALLEY」のバー
ルームツアーを終えてから館内散策に行きます。まずはドリンク券をいただいたので、29階の服抜けフロアにある「PEACOCK ALLEY」に行ってみました。アフタヌーンティーの会場にもなっているようです。ちなみに、ウォルドーフ・アストリア大阪にはラウンジがありませんので、館内でくつろぐとなるとこちらのバーか後述するライブラリーになるでしょうか。
ソファ席は予約で一杯で、テラス席もまだサービスをしておらず、バーカウンター席に案内されました。ドリンク券用のメニューがあり、アルコールもノンアルコールもオーダー可能です。

高級ホテルのバーと聞くとマホガニー製のカウンターで薄暗いイメージがあり、カウンター席に座るのにも緊張して構えてしまいそうですが、このバーカウンターは吹き抜けになった広々とした空間の真ん中にあるので、緊張感よりも高揚感の方が勝ってしまいます。

散歩がてらやって来ました、とおひとりでカウンターに座るお客さまもおられ、バーテンダーの方とも気さくに話しができるフレンドリーさがありました。29階から見える風景とは全く違った景色を楽しむことができ、非常に貴重な経験をすることができました。


ライブラリー
PEACOCK ALLEYを後にしてからは、宿泊棟のエレベーターで30階へ昇り、「ライブラリー」へ行きました。ライブラリーはホテル開業初日と翌日はクローズしていましたが、4月5日から開放しています。朝9時から22時までセルフサービスですが、コーヒーと紅茶をいただくことができます。
利用客がほとんどいなかったこともありますが、ライブラリーの名前の通り建築や芸術関係の大型書籍が並んでおり、上質の椅子やテーブルでゆっ~たりとくつろぐことができました。




ウォルドーフ・アストリア大阪のプールとジム
ライブラリーのある30階にSPAもあり、プールやジムが利用できます。プールからは大阪の街並みが一望でき、室内ながらインフィニティプール仕様です。プールサイドのベッドでまったりすることもできそうです。水着を持っていない場合でもレンタルすることもでき料金は1,650円とのことです。




夜の外観
夜、外から見るとWAのマークが輝いており、グランフロント大阪にある緑の熊さん「テッド・イベール」の方向からだとグラングリーン大阪南館に入るホテル部分がよくわかります。


朝食の様子@Jolie BRASSERIE
朝食は朝6時半から10時半(土日祝は11時)まで、29階のレストラン「Jolie BRASSERIE」にてブッフェスタイルでいただくことができます。

お席に案内されて、コーヒーか紅茶の選択を尋ねてこられましたが、カフェオレは可能かと確認すると、ご用意できますとのことでした。
カフェオレがくると大きなカップに入っており、コーヒーのカップと比べるとひと回り大きくて、何だか得した気分でした。笑

メニューの中にある卵料理やコンフォートフード数種類や和定食などを選んでオーダーした上で、さらにブッフェスタイルで好きな料理を好きな量だけ取ってくるスタイルです。卵料理やコンフォートフードも何度でもオーダーできるので、何種類でもいただくことができます。メニューは回収されそうになりますが、追加でオーダーするので1部はキープさせてもらいました。




筆者が注文して絶品!だと感じたのは、ブリオッシュフレンチトーストです。卵がブリオッシュの中に沁み込んでおり、あまりの美味しさに同じものをおかわりしてしまう程でした。

メロンも非常に柔らかくてみずみすしい食感に驚き、おかわりしてしまいました。

朝食は宿泊者でなくてもいただけます。この内容で5,500円とは非常にコスパが良いと感じました。
ボールルーム(宴会場)
エントランスの2階は宴会場になっています。天井の高いところに宴会場の扉が並んでいます。

エントランス2階にも松の木とネスプレッソマシーンがありました。


宿泊棟の方では結婚式の相談をしているカップルを何組か見かけました。
ウォルドーフ・アストリア大阪の宿泊料金・値段
今回の宿泊を予約したのは開業前1ヶ月を切っていたので、有償での予約だと20万円を超えていました。開業初日の4月3日木曜日は有償宿泊だと最低でも50万円はしており、ポイント利用でも20万ポイント超えていました。筆者は有償宿泊には手が出ませんので、ポイント宿泊で10万ポイントを利用して予約しました。
さらに、宿泊3日前にアップグレードされたメールを受け取りました。この時、ヒルトンオナーズのアプリを利用して自身で客室を選択することもできたようです。筆者は見過ごしておりました。

一方、ニューヨークのウォールドルフ・アストリアには筆者も一度は宿泊したいと考えておりますので、2026年の比較的安い時期に宿泊予約だけは入れました。有償で宿泊すると一番廉価な時期・客室でも税金とサービス料込みで$1,185はします。ポイント利用だと一番廉価な時期・客室でも最低15万ポイントは必要です。もちろんポイント利用での予約です。
まとめ
「ウォルドーフ・アストリア」というブランド名から、アール・デコ様式のある程度のゴージャスさをイメージしていましたが、ウォルドーフ・アストリア大阪はゴージャスさをあえて感じさせないようにしているのか、日本らしい非常にシンプルかつスタイリッシュな空間と施設でした。
一方、伝統と格式を重んじるといった無言のプレッシャーもなく、大阪という場所がらもあるのでしょうか、スタッフの皆さんも非常に気さくでフレンドリーという印象を受けました。
また、アート作品がいたる所にあり、松や苔などもさりげなく置かれていますが、それぞれ有名な芸術家の作品であったり、盆栽職人の作品であったりすると思われます。それぞれの作品の解説が欲しいところですね。ホテルによってはアートブックを読み込めるQRコードがあったり、館内アートツアーなどを実施している所もあるので、ウォルドーフ・アストリア大阪でも是非アート解説は実施していただきたいと思いました。
皆さまも是非、あのヒルトン創業者であるコンラッド・ヒルトンをして「全てのホテルの最高峰」と言わしめたウォルドーフ・アストリアのサービスを、ここウォルドーフ・アストリア大阪で体験なさって下さい。